Budo World

武道の基礎知識

講武所

 江戸時代、徳川幕府は例外を除いて外国との交流を絶っていた。内戦もほとんどなく平和な時代が260年以上も続いた。そのことによって武芸は文化として成熟し、人間形成としての意味も含むようになり、また競技としても行われるように…

しない打ち込み剣術

 近世中期までの剣術は、形による約束稽古であった。しかしこれがまさしく形だけのものになり、実戦性、実用性から遠ざかっていくのは自然の成り行きである。  当然のことながら志を高く持った人々はこれに疑問を感じていた。そこで登…

流派の成立

 武技に秀でた天才的人物が登場すると、その技術を教わろうとして必然的にその周囲に人が集まる。  武術には一つの大きな特徴がある。それは徹底した秘密主義をしいていたということである。自分の獲得した極意をめったには教えない。…

騎射の三物

 中世日本の戦いは騎馬戦であり、馬にのって弓を射る騎射の技術が武術の中心であった。現在の弓道のように人が立った状態で弓を引くのではなく、馬を操作しながら弓を射る特殊な技術が必要であった。そのため当時の武士は独特な騎射の訓…

日本刀の出現

 日本の武道史の中で特に注目すべきことの一つとして、日本刀の完成があげられる。  ここで一つ確認しておかなくてはならないことは、一般に「刀剣」とよく言われるが、刀と剣は形態が異なり別の物である。刀は片刃のものであり、剣は…