酒井 利信(筑波大学) プロローグ1—「剣」「道」の文化性 1.「剣」の「道」 「剣」の「道」と書いて「剣道」という。 ここに剣道の意味深さがあるように思われます。 今日、日本中どこでも、さらに世界各地で、実に多くの…
武道に身心統合科学の可能性を探る ~嘉納治五郎の事績にならい、今をかんがえる~
酒井利信(筑波大学) 、前林清和(神戸学院大学)、寒川恒夫(早稲田大学)、永木耕介(兵庫教育大学)、長尾進(明治大学)、百鬼史訓(東京農工大学)、村田直樹(講道館)、大保木輝雄(埼玉大学)、藤堂良明(筑波大学)、真田久(…
神話の中の武
酒井 利信(筑波大学) はじめに 日本は、中世以来、明治維新までの実に700年以上もの間、武士が国をリードし政治を司ってきたという特殊な歴史をもっている。こういった歴史は、世界的にみても稀である。 日本の文明、文化とい…
武道史の鳥瞰図
▶️武道史の鳥瞰図(pdf) history_j_210
武道とは
武道とは、自らの身を守り敵を倒すための技術に由来し、日本における伝統を有しつつその歴史の中で培ってきた文化性を内在しながら、現代日本においては人間形成を目的とした戦技的な運動文化のことを言う。 武道とは何かということ…
戦後の武道
日本は昭和16年(1941)から太平洋戦争に突入し、昭和20年(1945)敗戦により終戦をむかえる。その後、昭和27年(1952)まで、アメリカを中心とする連合国軍により占領下におかれる。 軍事色を一掃するということ…
大日本武徳会
明治28年(1895)に武道の統括団体として大日本武徳会が創設される。 大日本武徳会は、武道の奨励・普及・指導・大会の開催・武道家の表彰などの事業を行った。明治32年(1899)には平安神宮境内に武徳殿が完成。明治3…
嘉納治五郎による講道館柔道の創始
中世の武は弓が主導し、近世の武は剣が主導したが、明治維新以後の近・現代の武を主導してきたのは良くも悪くも柔道であるといってよい。 そしてキーパーソンとなるのが嘉納治五郎である。嘉納治五郎とは近世までの柔術を、近代日本…
撃剣興行
明治維新以後の武芸の危機を救おうと、元講武所の剣術師範であった榊原鍵吉という人物がユニークな発想をする。剣術を興行として行おうというのである。 剣士に勝敗を競い合わせ、これにお客を集めて見物させ木戸銭を取ろうというの…
明治維新と武道の危機
明治維新以後、明治4年(1871)の廃藩置県により幕府の下部行政組織であった藩がなくなり、それまで藩から給料をもらっていた武士は失業してしまう。徳川幕府の中では士・農・工・商という階級制度があったが、これがなくなり武芸…